2011-08-28

SKB in GOTO


2011.08.27 東シナ海

五島列島へ向かうジェットフェリーの中には9人の隊員の姿があった。

彼らの所属は「SKB(SeiKyou Byouin running cirkle)」

宮崎生協病院の中でランニングを制するために結成された特殊部隊だ。

今回、彼らが立ち向かう相手は「五島列島夕やけマラソン」。

真夏に21.0975km、高低差50mのコースを走り抜けるという、過酷なレースだ。

戦いに備え仮眠を取る者、音楽で自らを鼓舞する者など、船内には戦を控えた独特の緊張感が漂う。

そんな中、新入隊員のzumaは緊張していた。

練習でハーフはおろか、10kmもほとんど走れていなかったからだ。

はたして、無事帰れるだろうか。

台風とかで大会は中止になってくれないだろうか。

そんな思いとは裏腹に、船は無事、島へと到着した。



隊員たちは五島列島のひとつ、福江島に降り立った。

…暑い。

島独特の強い日差しが隊員たちを襲う。

あまりの暑さに戦闘意欲を失いつつある隊員もいる。

「これが、島の洗礼…か。」

H隊長は呟いた。

うだるような暑さの下、何とか手続きを済ませ、隊員たちは宿泊所へと向かった。

I隊員によるブリーフィングを終え、戦闘服(ランニングの服装)に着替える時間となった。

戦闘服を身に着けるにつれ、隊員たちの表情も締まってきた。



戦の準備を終え、再び決戦の地、福江港へと向かう。

もう隊員たちの顔に迷いはなかった。

ゴールして、また、この地で再開しよう。

誓い合い、集合写真を撮った。

そして…

戦が始まった。



1km。

最初の給水所が見えてきた。

貴重な補給所だ。ありがたい。

しかし、zumaはそこで衝撃の現場を目の当たりにした。

「…スポーツ飲料が…ない…だと」

あるのは水、塩、スポンジ、そしてスイカ。

まさか、そんなはずは…

zumaは何度も確認するが長年慣れ親しんだスポーツ飲料の姿はなかった。

zumaは考えた。

10箇所中の最初の給水所だ。きっと、この先どこかにスポーツ飲料の給水スポットがあるはずだ。

淡い希望を持ちながらzumaは走り続けた。

7km。

カーブを曲がるとそこには大きな上り坂が。

どうやらここが一番の難所らしい。

zumaは一気にかけあがった。

8km。

坂を上りきると、そこには絶景が広がっていた。

夕やけ空の下、左手には大きな山。右手には大きな海が広がる。

あまりの美しさに、戦いであることも忘れ、しばし景色に見とれてしまうzumaであった。

10km。

「ピキッ!」

zumaは右足に激痛を感じた。

右のふくらはぎが張っている。

…どうやら足が攣りかけているようだ。

12km。

ここからが地獄の始まりだった。

時間が経つにつれ、辺りは暗くなり始め、精神的にもzumaを追い詰める。

15km。

zumaは自問していた。

自分はなぜ走るのだ?

走った先に何があるのか?

帰りたい…

18km。

給水所だ。

ここまでの給水所で、スポーツ飲料は一度として登場しなかった。

おそらく、これからも登場しないだろう。

zumaの心は折れかけていた。

目の前には回収車が控えている。

車内は冷房も効いていることだろう。

あそこに入ってしまえばどんなに楽だろう。

19km。

思い切って給水所で立ち止まり、コップの冷水で顔を洗った。

冷たい。

zumaは目が覚めた。

…そうだ。

自分はリタイアするわけにはいかない。

走り続けなければならない。

誰の為、何の為でもない。

なぜなら…

なぜなら自分はSKBの一員のなのだから!



zumaは走り始めた。

足の痛みなど、どうでもよかった。

沿道の声援が心に響く。

ゴールが近づく。

あと1km。

あと500m。

あと250m。

そして…

ゴール。

終わった…のか。

zumaはゴールした後の記憶があまりなかった。

ただ、隊員全員がゴールし、五島牛を食べたことは確かだ。

帰り道にもいろいろあったけど、それはまた別の機会に。



次回は
「戦いは終わっていなかった…!筋肉痛との死闘!!」
をお送りします。お楽しみに!

(今回はだいぶ話を盛ってます。すみません) zumatyan

2 件のコメント:

4階のkiri さんのコメント...

久しぶりの投稿、気合が入ってますね(^ ^)
今日の処置も20km走った翌々日とは思えないほど、軽やかな動きでしたよ(^-^)
私も仲間に入りた〜いo(^▽^)o

アヤパソ さんのコメント...

完走おめでとうございます!マラソン後も普段と変わりなく仕事をこなすzuma先生、リスペクトっす。
深夜に変なテンションで書いたブログということで、面白かったです。私もブログ更新したいなとは思ってます。